20/11/06
jimu

第28回事業創造講座のご報告

20201105
第28回事業創造講座 リアル&ウェビナー

テーマ
“売る”極意に迫る
「コロナ渦でも商品をヒットさせる新時代の売り方とは」

講師
(株)コパ・コーポレーション 代表取締役社長 吉村 泰助 氏

 実演販売を始めたのは秋葉原デパートが最初だった。実演販売は宣伝屋と呼ばれ、如何わしいと言われていた。この世の中を冷静に考えてみて民主主義も資本主義も同じことを言っていてた。すなわち、売る行為を通じてでしか正当性が得られない社会。商品は売れないとゴミ。売り行為のプロフェショナルになれば民主主義で生き残れる。実演販売をリソースとする会社を設立した。実演販売の文化を清く正しく美しく継承しようと考えた。

 1998年に設立し、実演販売ができる卸売業としてスタート。2006年には実演販売を柱にした販売戦略の基礎構築が完了した。2018年は実演販売のできる卸売業から販売元へと変貌を遂げるべく「デモカウ」事業をスタートする。当社は、主にTV通販運営会社やベンダーに商品の卸売を行っている。また、インターネット通販では、直接消費者に販売している。直営店の「デモカウ」も運営。

 実演販売の利点は3つ。一つは、能動的な需要を喚起させる。すなわち、指名買いをしてもらえる。2つ目が高い広告効果がある。3つ目が商品の企画から販売まで携わることができる。納得という現象は五感から入ってきた情報が一致した時に得られる。人は、オンリーワン情報、ナンバーワン情報、オール・イン・ワン情報の3つの情報を重視する。この3つをバランスよく持っておくことが大切だ。

 3Dマーケティング販売戦略を有効に機能させるためにブランド管理を徹底させている。値崩れ防止と競合他社とのフリーライド防止により、実演販売のできる卸売りから実演販売ができる販売元になる。商品企画までできる実演販売士を「実演アンカーマン」と呼び、当社の競争力の一つとなる。

 自社内に蓄積している過去の実演口上をデータベース化し、適時新商品企画に活用できる体制を整備した。これによりパルスイクロスをはじめ、スーパーストーンバリア包丁が売れた。当社の営業利益率は小売業の中でも高い数字を出している。実演販売を組織的に運営することで粗利率がしっかり取れる仕組みを構築。

 「売り」の極意塾を開講し、基礎、法令、実践からなる9日間の育成プログラムを経て実演販売士を養成している。13年やってきて、実演販売士の認定を受けている者が44名にのぼる。

 バラエティ番組や情報番組に出演し、露出することで商品への需要喚起にとどまらず、消費者に対する影響力を行使するインフルエンサーとしての役割も担う。

 実店舗のデモカウを作った理由は、実店舗をメディア取材の場として、ECサイトのデモカウとのシナジー効果を図ることである。さらにオムニチャンネル戦略を取り入れた。これは、実演生ライブを見た消費者が実店舗で商品を受け取るという流れを作った。これから先、新規店舗展開も検討している。大切なことは、五感を刺激してシームレスにつなげていくかがポイントになる。

 コロナ禍でもTV通販やインターネット通販においては、巣ごもり消費に関連すると推測される需要によって売上高は好調に推移している。現状コロナの中で店舗での実演販売が難しいため、オンライン実演販売に切り替えた。新しい時代の幕開けに差し掛かっていて、この時代に何ができるか自分の強みを分析すると何かしらの法則が見えてくる。実演販売は昔からあり古臭いが、商売の根本となってそれを現代にいかに生かしていくかが大切だ。時代とともにその形を変え、対応していけば革命が起こる。売る行為を通じてでしか正当性は得られない社会なので、ここからさらに発展していこうと考えている。皆様の中にも強みがあるので、それを生かせば道は開けていく。

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