20/12/19
jimu

第29回事業創造講座のご報告

20201216
第29回事業創造講座(zoom)

テーマ
「群馬県の2040年のビジョン」について

講師
講師:群馬県副知事 宇留賀 敬一 氏

 群馬県は製造業が強く、ポテンシャルが大きい県。そのポテンシャルを生かすためにデジタルトランスフォーメーションを推進していく。
私自身、大学でITを学び、経済産業省で一貫してITに携わる。更に行政と携わる民間ビジネスや地方創生にも関わってきた。

 新・総合計画「ビジョン」では、誰一人残さない自立分散型社会の実現を目指す。
デザイン思考を取り入れ、「なりたい姿」をしっかり描くことから始めた。石油に頼らない新しいライフスタイルを築いていく。
これまでの群馬の総合計画は業界団体の代表で決めていたが、今回は多様性にとんだメンバーで20年後を議論した。
今後の会社の未来について色んな方の意見を聞き、最後的には経営者に判断をお願いする。

 県の取り巻く環境は厳しい見通しが示された。経済は、ものづくりの在り方が変わり、新たな価値の創出が求められ、社会では、高齢者流入し、若年者の流出が進む。そして、自然災害の増加でインフラの老朽化が進む。国際社会では、世界人口が増加し、エネルギー、食料、水などの資源は需給が逼迫する。

 このような状況の中で、ニューノーマルを先導する群馬を実現するためにデジタル化に基づく価値の創造の方向軸と安全性・持続性の追求(SDGs)の方向軸を設定した。

 目指す姿は、「快疎」である。デジタルがただの入口でいかに群馬の土壌と溶け合わせるかが重要である。その土地の風土に根付いた独自の価値を磨いて提供していく。

 2040年ビジョンでは、3つの幸せ(個人の幸せ、社会全体の幸せ、将来世代の幸せ)の向上が必要。年齢や性別、国籍、障害の有無等に関わらず、全ての県民が、誰一人取り残されることなく、自ら思い描く人生を生き、幸福を実感できる自立分散型の社会を目指す。そのために、行政・産業のDXを推進し、3年以内に、日本最先端クラスのデジタル県となることを目標としている。また、安全性を強化するために防災体制とパンデミックの経験を生かした医療体制を固める。次に社会の持続性については、分散型エネルギー活用と産学官民が知恵を集約した共創でイノベーションを起こす。

 その他の重点政策の中で教育イノベーションも大切な政策である。従来の日本の教育システムの大量生産型の経済ではなく、刷新・創造が価値を生む時代に対応していく。学力だけではなく、自分の頭で未来を考え、動き出し、生き抜く力を持った人を育てる。そのためにICT教育活用群馬モデルを始動。ハードの整備のみならずソフトウェアの整備も進めていく。群馬唯一で小中高で学びのデータ蓄積し、小中高連携を推進して学習履歴を共有できるようにすることで横の広がりを築いていく。

 群馬県庁の32階に官民共創スペースをつくり、様々な業種・業態の利用者が空間を共有しながら仕事などを行うことができるようにしていく。参加者同士の交流し高め合う企画も開催していく。また専門知識や人脈を有するコーディネーターによる相談や事業者等のマッチングなどを行う。群馬県庁からの発信だけに留めることなく、県内各地でイノベーションハブをリアルタイムに接続して地域の未来を共創し、DXによる地域課題の解決などを行っていく。

「群馬県 新・総合計画ビジョン」
https://www.pref.gunma.jp/contents/100171032.pdf

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