25/02/09
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新春互礼会のご報告

日 時:令和7年2月7日(金)
会 場:ホテルラシーネ新前橋 3F「葵の間」
 
新春講演
講師:菊永 裕行 氏(東京メディカルテラス)
演題 :「健康と経営シリーズ1」「最新の免疫治療」
 
令和7年2月7日にホテルラシーネ新前橋で新春互礼会を開催しました。今回の講演会では、講師として著名な専門家をお招きし、生命の起源から最新のがん免疫療法まで、幅広いテーマについて深く掘り下げたお話をしていただきました。
 
健康と経営シリーズ1_菊永裕行
 
生命の起源とDNAの奇跡
宇宙が誕生してから138億年、地球が誕生してから46億年という壮大な時間スケールの中で、生命の起源について考えました。46億年前の地球はマグマに覆われた灼熱の世界であり、そこから約2億年かけて海が誕生し、アミノ酸が生成されたそうです。さらに奇跡的な出来事として、40億年前に最初のDNAが誕生し、それが現代の私たちを含む全ての生命の源となっているという事実に、参加者は深い感銘を受けました。この最初の一個のDNAから繋がっているという事実は、私たち一人ひとりが奇跡的な存在であることを改めて認識させてくれます。
 
細胞の驚異的なコミュニケーション能力
私たちの体は約37兆個の細胞で構成されており、それぞれの細胞が互いに連携し、情報を交換しながら生命活動を維持しています。特に、肺炎などの感染症が発生した際には、患部の細胞がサインを出し、それに応えて白血球が集積するという細胞間のコミュニケーションの重要性が強調されました。また、がん細胞も同様に周囲の細胞とコミュニケーションを取りながら生存戦略を立てているという事実は、がん治療における新たな視点を提供してくれます。指を切った際の細胞レベルでの修復作業は、まるで災害からの復旧作業のように複雑であり、細胞が自律的に行う高度な機能に驚かされます。
 
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がん細胞の驚くべき戦略
がん細胞は、単なる異常な細胞ではなく、生存のために様々な戦略を駆使する狡猾な存在であることが明らかになりました。不死化、周囲からの栄養横取り、免疫細胞からの逃避、転移など、がん細胞は自身の生存と増殖のために、あらゆる手段を講じます。特に、転移のメカニズムは驚くべきものであり、がん細胞が自ら白血球のような細胞に変化し、血管壁を破壊して他の臓器に移動するという事実は、がん治療の難しさを示唆しています。また、脳に転移したがん細胞が、免疫細胞に対して脳の細胞であると偽装する巧妙な手口は、がん細胞の知能の高さを感じさせます。
 
がん治療の現状と課題
手術、化学療法、放射線治療といった従来のがん治療法に加え、近年注目されている免疫療法の可能性と課題について議論しました。手術療法は、150年前にヨーロッパで始まり、現在でも基本的な手術手技は変わっていないという事実は、医療技術の進歩の歴史を感じさせます。化学療法は、イチイの木から抽出された毒性物質を利用してがん細胞を攻撃する方法であり、放射線治療は、DNAを直接破壊することでがん細胞を死滅させる方法です。しかし、これらの治療法は、正常な細胞にもダメージを与えるため、副作用が避けられないという課題があります。
 
免疫療法の最前線
免疫チェックポイント阻害剤の開発秘話や、NKT細胞を標的とした最新の免疫療法について、具体的な症例を交えながら解説していただきました。免疫チェックポイント阻害剤は、がん細胞が免疫細胞の攻撃から逃れるために利用するブレーキを解除することで、免疫細胞ががん細胞を攻撃できるようにする画期的な薬剤です。NKT細胞を標的とした免疫療法は、樹状細胞とNKT細胞を組み合わせることで、がん細胞を効果的に攻撃する方法であり、様々な種類のがんに適用できる可能性があります。講演では、実際に免疫療法によって劇的な改善が見られた症例が紹介され、参加者に大きな希望を与えました。
 
講演会後の新春交流パーティでは、「ジャズピアノとテナーサックスの夕べ」と題し、心地よいジャズの音楽を楽しみながら、お酒と料理を片手に会員同士が今年のビジネス情報を交換し、交流を深める貴重な機会となりました
 
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