25/12/22
jimu

12月例会・忘年懇親会のご報告

「12月例会・忘年懇親会」を次の通り開催させて頂きました。
今回の特別セミナーは、株式会社日本M&Aセンターより柴田彰氏(執行役員)・田中氏・菅原氏が登壇。テーマは「企業価値を上げる、M&Aコンサルタントが重視する指標とは」。事業承継だけでなく、成長戦略としてのM&A活用までを、事例動画や実体験を交えて解説いただきました。
 
いま中小企業で起きていること|事業承継は“経営課題”
日本の中小企業は社長の高齢化が進み、後継者未定の会社も多い一方で、「黒字でも廃業」を検討するケースがあると紹介されました。国も中小企業支援としてM&A税制等を整備しており、M&Aは“特別な手段”ではなく、選択肢として知っておくべき時代になっています。
 
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事業承継は3択|親族・従業員・第三者(M&A)
事業承継は大きく「親族承継」「従業員承継」「第三者承継(M&A)」の3パターン。近年は親族以外への承継が増加傾向にあり、M&Aは「会社が変わる」のではなく“オーナーが変わる(株式譲渡)”形が主流で、うまくいっているほど外からは気づかれにくい、という説明が印象的でした。
 
M&A業界の現状|DMが増える理由と注意点
M&A会社の増加により、DMや電話勧誘が急増している背景も共有されました。とくに小規模な新規参入企業が名簿を活用して一斉送付するケースが多く、トラブル防止のための自主規制やルール整備も進んでいるとのこと。自宅宛のDMなど“ルールを守らない接触”には注意が必要です。
 
企業価値の見方|株価算定の基本と「重視される指標」
田中氏からは企業価値評価の基本として、主に「コストアプローチ(時価純資産+のれん)」を解説。土地の含み益や保険解約返戻金などを反映した時価純資産に、修正した営業利益の2〜5年分(のれん)を加える考え方が示されました。加えて、買い手が安心するポイントとして、再現性のある収益構造、社長依存の低さ、内部統制、過度な借入や簿外債務の有無、成長市場・独自性などが挙げられました。
 
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実体験から学ぶ|DD(買収監査)と「開示」の難しさ
菅原氏(元経営者)からは、M&Aで最も大変だったのはデューデリジェンス(買収監査)で、膨大な資料提出と対応が続く点、許認可事業では現場負担が大きい点が語られました。また、従業員への開示は伝え方が重要で、両社が同じメッセージを発し不安を抑える設計が鍵になる、という学びが共有されました。
 
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講演後の忘年懇親会では、年の締めくくりとして立食形式で会員同士の情報交換を行いました。講演内容をきっかけに、自社の事業承継や成長戦略、地域での取り組みについて語り合う姿が各所で見られ、一年を振り返りながら、来年に向けた新たな視点やご縁が生まれる、実りある時間となりました。
 
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