25/05/31
jimu

2025年度第12回定時会員総会開催のご報告

2025年度第12回定時会員総会が開催され、第1号議案「2024年度事業報告並びに決算報告」について審議が行われ、続いて「2025年度事業計画並びに収支予算(案)」に関して、各委員会より活動計画の説明がありました。最後に「収支予算書」の報告が行われ、すべての議案が拍手をもって承認され、総会は閉会となりました。
 
続いて、政策説明会として群馬県産業経済部より「群馬県産業振興基本計画」、群馬県産業経済部 未来投資・デジタル産業課 スタートアップ推進室から「群馬県の未来産業戦略とスタートアップ支援方針」についてお話をいただきました。
 
<産業振興基本計画の概要>
本計画は、2040年を見据えた産業の方向性を示す「未来産業創出アクションプラン2040」に基づき、地域産業の構造転換と価値創造を支援するものです。
 
重点的に取り組むのは以下の4分野:
・DX(デジタルトランスフォーメーション)
 
 企業のデジタル技術導入や業務改革を促進し、県内産業全体の競争力を向上。
・GX(グリーントランスフォーメーション)
 
 脱炭素社会に向けた産業支援や再エネ活用による、新たな環境ビジネスの育成。
・モビリティ
 
 EV・自動運転・次世代交通などの分野において、研究・開発・企業誘致を加速。
・ヘルスケア
 
 医療・介護・健康産業への支援により、高齢化社会に対応した新産業の創出を推進。
 
また、人的資本への投資やクリエイティブ産業の支援を通じて、付加価値の高い地域経済の構築を目指しています。
 
<群馬県のスタートアップ支援施策>
併せて、県が力を入れているスタートアップ支援施策についても具体的な説明がありました。創業支援から資金調達、成長支援までを一貫してサポートする体制の構築が進められています。
 
主な取組内容:
・創業支援拠点「G-WORKS」整備
 
 起業家の活動拠点・交流スペースとして、設備・人材・ネットワークを提供。
・補助金制度の充実
 
 スタートアップの初期費用や実証実験に対する助成制度を拡充。
・VC・金融機関との連携強化
 
 資金調達の選択肢を広げ、県主導でマッチング機会を創出。
・人材育成・リスキリング支援
 
 創業者・地域企業を対象に、ビジネススキルやテクノロジーに関する学びの場を提供。
 
これらの施策を通じて、県は「挑戦する人材が集まり、成長できる土壌づくり」を目指し、スタートアップ・エコシステムの形成に取り組んでいます。
 
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<特別講演>
特別講演では、宇宙科学研究所 科学推進部長 青柳 孝 氏とJAXA宇宙探査イノベーション副ハブ長 櫛木 賢一 氏にそれぞれ登壇されました。
 
JAXA宇宙科学探査の取り組みに関する現状と将来について
宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙科学研究所 科学推進部長 青柳 孝 氏
 
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青柳氏からは、JAXAの宇宙科学探査の全体像と今後の展望についてご講演いただきました。JAXAは、日本の宇宙航空分野を担う中核機関として、安全保障や地球観測、産業支援、航空機開発など多岐にわたる分野で活動を展開しています。
 
特に宇宙科学研究所(ISAS)では、小惑星探査機「はやぶさ」「はやぶさ2」、火星衛星フォボスへの探査を予定する「MMX」、欧州の木星探査機「JUICE」など、国際協調のもと数々の先端ミッションを推進。観測気球や実験場を活用した教育・研究や、町工場・中小企業と連携した開発事例も多く紹介されました。
 
また、小惑星「アポフィス」接近に備えた「プラネタリーディフェンス」の国際的な取り組みや、非宇宙分野の企業が宇宙開発に参入するための制度(宇宙戦略基金やSX事業)についても言及。地元・群馬県からも複数の企業がプロジェクトに参画していることが紹介され、地域と宇宙の新たなつながりを感じられる内容となりました。
 
宇宙探査イノベーションハブの取組み〜持続的な月・火星探査を目指して〜
JAXA宇宙探査イノベーション副ハブ長 櫛木 賢一 氏
 
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櫛木氏からは、JAXA宇宙探査イノベーションハブの具体的な活動と成果についてご紹介いただきました。同組織は、民間技術や知見を取り入れながら、10〜20年先を見据えた持続可能な月・火星探査の基盤技術を開発することを目的としたオープンイノベーションの拠点です。
 
講演では、玩具メーカー・タカラトミーなどと連携して開発された世界最小・最軽量の月面探査ロボット「SORA-Q」や、レーダー技術、宇宙での野菜栽培、半導体技術を応用した水分センサーの事例などが紹介され、宇宙と民間技術の融合が具体的な成果を生んでいる様子が伝えられました。
 
現在、全国で280機関以上と連携する中、群馬県内との連携はまだ限られているとのこと。今後、より多くの地域企業と協働し、「宇宙で活かせる地場技術」の発掘と育成を進めていきたいという意向が示されました。
 
櫛木氏は「宇宙探査は決して特別な世界ではなく、地上の課題と通じる部分が多い。宇宙を共に目指す仲間として、ぜひ地域の力を生かしてほしい」と呼びかけ、講演を締めくくられました。

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